ことのはじまりは、「海外の列車ってどんなのがあるのかな」と疑問に思った事でした。
過去に、わが子のためと見せかけて、自分も興味があった列車の図鑑を買ってみたり、図書館に行ったりしていましたが、意外に情報がなく、あったとしても知らない列車ばかりでつかめず、時は過ぎてしまっていました。
ふと、昔乗った海外の列車の記憶をたどってみることにしました。
たとえば、アメリカの「アムトラック」。
アムトラックは旅客列車ですが、貨物列車かなと思うくらいゴツゴツとしていて、延々長くて、静かにホームへ入ってくる感覚。
あの時代のドキドキ、ワクワク、胃がキリキリしていた感情までよみがえってきます。
ともかく、あのアムトラックは日本の列車に比べてどれだけ長かったのかな!?
また、世界の列車はどれくらい長いのがあるんだろう??という切り口で調べたらおもしろそうだなと思いました。
そもそも「長い」と思うのは感覚でしかないので、いくら長くても新幹線のようにあっという間に通り過ぎてしまった場合は「短い」と感じるわけで。。。
結局のところ、速度が遅い電車についても調べてみるとおもしろそうという気がしてきました。
☞つまりは、通り過ぎる時間が長ければずっと見て楽しめるので、長い列車や、短くてもゆっくりな列車も含めた世界の列車を探すというマニアックなことをしてみることにしました!
参考:日本で一番長い旅客列車の新幹線「のぞみ」
実際に、日本の一番長いといわれる新幹線「のぞみ」を例にして、全長と時速から、通過時間を考えてみます。
のぞみの全長は、404メートル(1両あたり25メートルx16両=400なのでだいたいあってますね)。
時速でいうと最大270kmくらい。
都市部ではもう少しゆっくり走るそうなので、平均して時速200kmとかんがえてみました。
そうすると、のぞみが自分の前を通り過ぎる時間は?
計算式↓
①速度:200 キロメートル/時間 = 200,000 メートル/時間
200,000メートル÷3600秒(1時間)=55.56メートル/秒 なので、
②通過時間:
新幹線の長さ404メートル÷55.56メートル/秒=7.279…秒
答え のぞみが目の前を通り過ぎる時間は、約7.3秒
あっ新幹線!と気づいてから通り過ぎるまで、感覚的にもだいたい5秒程度ですのであっている気がします。
学生の頃に乗った、アメリカのアトラックについても調べてみました。
参考:アメリカのアムトラック
アムトラックは、アメリカの国営鉄道会社で、アメリカ国内とカナダの一部を通っています。
速度はいろいろ
★アムトラックのアセラ・エクスプレス(Acela Express)は、アムトラックの最速列車で、アメリカ北東部のボストンからワシントンD.C.まで、最高速度約240 km/hで運行。
★その他のアムトラックの列車は、平均して110 km/h〜130 km/hで走行するそうです。
長さもいろいろ
★長さもその列車によるのですが、長距離列車の場合、食堂車、寝台車、座席車などを含んで10両編成以上。※1両あたりの長さは25メートルほどと、のぞみとあまり変わらないですね。
例)長期慮列車の例として、シカゴから西海岸まで運行されるエンパイア・ビルダーがありますが、カナダの国境に平行して進む、北米大陸横断鉄道です。
★通勤や観光向けの短距離列車は、3〜5両編成で運行されることが多いですが、列車のタイプや運行ルートによって、速度や長さが大きく変わります。
例)短距離列車は、カナダのバンクーバーからオレゴン州ユージーンまでを結ぶカスケーズ (Cascades)や、ペンシルベニア州フィラデルフィアからニューヨークおよびハリスバーグを結ぶケープラー、カリフォルニア州のサンフランシスコのベイエリアからサクラメントやオーバーンまでを結ぶキャピトル・コリドー、カリフォルニア州ベーカーズフィールドからオークランドやサクラメントを結ぶサン・ホアキンもあります!
※州を超えることもあるので、人によって、これは中距離列車とも感じますね!
筆者が乗ったアムトラックは、短距離列車でだいたい6両~8両くらいだったので、8両として、時速110kmとして計算すると、アムトラックが通り過ぎる時間は、6.55秒。
のぞみの通過時間とあまり変わりません!
もっと長かった記憶があったのですが、ひょっとすると、もう少し車両が多かったのかもしれませんね・・・。
Google Mapで目指したい場所の付近で「Amtrak」と検索すると、主要なアムトラックの駅が出てきます!
余談
学生時代はお金がなかったので、都市部の空港で降りて、目的地の田舎町まではアムトラックで移動するといったことがありました。
バスという手段もあったのですが、バス停で待っている間に若干見知らぬ人に話しかけられることがあったため、”ホーム”で待機できる比較的安全なアムトラックを使っていましたね。
※バスは友人などと複数人で移動するときに使っていました!
※空港からアムトラックの駅の間も距離があったので、タクシーに乗ったりとなかなか大変でしたが、それも含めてとてもよい思い出です。
アムトラックも見ても楽しいですが、乗ってみるのもおすすめです。
スイスのレーティッシュ鉄道(長い列車と遅い列車)
22年にギネスにのった世界で一番長い”旅客”列車であるスイスのレーティッシュ鉄道の通り過ぎる時間も調べてみました。
ギネス世界一の長い列車
レーティッシュ鉄道は、2022年10月にStadlerというスイスの大手鉄道会社が持つカプリコーンという列車で、世界最長の100両編成にして(全長1.9km)運行し、ギネス世界一に認定されました。鉄道の運行175周年を祝い行われたイベントだそうです。
※運行ルートは、プレダのアルブラトンネルから、フィリスールの少し先にある世界的に有名なラントヴァッサー高架橋までのユネスコ世界遺産のルートだったそうです!
1.9kmは、だいたい、東京駅から神田駅を通り越して秋葉原駅くらいまで(徒歩約30分)の距離!
最後尾が見えないほど、どこまでも続いている列車の映像は圧巻です↓
この長い列車の通り過ぎる時間も計算してみました。
計算式
①速度:
30 キロメートル/時間 = 30,000 メートル/時間
30,000メートル÷3,600秒=8.33 メートル/秒
②通過時間:
1,910メートル÷8.33メートル/秒=約229.2秒
答え ギネスの列車は目の前を229.2秒、つまり3分49秒で通り過ぎる。
参照:公式世界記録 – レーティッシュ鉄道 RhB
スイスのレーティッシュ鉄道の列車は、長くてゆっくりなだけあって、通りすぎる時間は割と長いですね。日本の新幹線のぞみが約7秒に対して、ほぼ4分でした。
この列車が通る場所は急こう配の地形なので、安全のためにゆっくり走るそうです。
山の上から眺めていたいですね。とても気になる列車です。
世界一ゆっくりなグレイシャーエクスプレス(氷河特急)
定期運転している、レーティッシュ鉄道のグレイシャーエクスプレス(Gracier Express)は”世界一遅い列車”とうたっていて、最大速度は 約35 km/hから40 km/hで、平均速度が約30 km/h。
特急という名がふさわしいかどうかは置いておいて(笑)
急勾配の山岳地帯(サンモリッツやツェルマットなどの観光名所)を走行するので、景色をゆったりと楽しむことができそうです!食事もついている!
通常は約6〜8両編成で、1両の長さは約18〜24メートル。
全長は6両編成の場合、約108〜144メートルで、8両編成の場合は約144〜192メートル。
日本の私鉄とあまり変わらない長さです。
8両編成で全長が192メートルとして、時速30kmの場合で計算すると、
氷河特急の通過時間は23.04秒!
ギネス記録の列車には及ばないものの、遅く走行する列車だけあって、のぞみと比較して、3倍の時間をゆっくり見届けていられる列車ということがわかりました!
しかし、この鉄道、外側から見るのもいいですが、アルプスの大自然を満喫できそうですので、せっかくなら乗りたいものですね!
氷河特急は、終着駅まで8時間かかるので、思う存分乗って景色を楽しめそうです。
ユネスコ世界遺産も見ることができますしね。
また、異なるルートで半分くらいの時間のベル二ナ特急もあります!こちらもフルで世界遺産のルートが回れるのが魅力です。ただし食事付きではないそうです!
日本の遅い列車
日本にも遅い列車があるものです。
上記のスイスの列車より遅い列車です!
潮風号
福岡県北九州市の門司港の海岸近くを走る、門司港レトロ観光列車北九州銀行レトロライン 潮風号。
最速15キロで、小型のディーゼル機関車(DB-10)がトロッコ客車2両を挟んで走っているそうです(4両くらい=80メートルくらい?)。
ママチャリが40台くらいが連なって通りすぎたな・・・というくらいでしょうか。
世界一遅いそして短い旅客列車!?といってもいいかもしれませんね!
富山県・黒部峡谷鉄道のトロッコ
トロッコの種類は様々ありますが、潮風号の時速15kmを下回る列車は見つかりませんでした。
すべて記載されていないので何ともいえませんが、スイスの氷河特急よりゆっくりな列車ではありますので秋の紅葉シーズンにいいですね。
北海道・函館市電の路面電車
函館市電は、北海道函館市内を走る路面電車で、かわいい列車です。
市内中心部では停車や信号待ちが多いため、速度はかなり低めだと思いますが、時速が公表されておらずわかりませんでした。
しかし、函館市中心部では、道路状況によって10km/h前後になっていることもあるのではないでしょうか。さぁどうでしょうか。
参考までに、神奈川県鎌倉市の江ノ電はもう少しスピードがあり、最大45km/hで平均22km/hほどだそうです!十分ゆっくりで、この緑色の江ノ電もほっこりしますよね。
参考:東京都・高尾登山電鉄のケーブルカー
東京都の高尾山のケーブルカーは秒速3.3メートル(時速約11.88km/h)で進むので、なんとここに、もっともっとスローペースの乗り物がありました。
これは、列車とは言えないでしょうか・・・。
※Google Mapでは電車として時刻を調べることができました。
あげたらきりがなさそうですので、ここまでにしておきます。
まとめ
乗り物が好きな子供の影響で、全く興味がなかった乗り物が好きになったというのはよくある話です。
せっかくなので、そこからいろんなことを発見したいと思い、
◎リアルな列車を見に行くのはもちろん、
◎マインクラフトやロブロックスの運転シミュレーションをやってみたり、
◎そうするうちに、今度はバス、電車、船、飛行機をゲームで建築してみたり、
◎建築したものを走らせたいからと、それもあれこれ悩んでやってみたり、
それはそれは乗り物から派生して面白いことになっています。
そうこうしている中で、ふと今回のような疑問がわいたのでした。。。
なるべく列車をじっくりと外側から楽しむため、通りすぎる時間が長い列車を探し求めていると、
世界一長い鉄道はスイスのレーティッシュ鉄道にありました。
その列車の通過時間は約4”分”。
対して、日本一長いのぞみは通過時間7”秒”ですので、ギネスの長い列車はゆっくり眺めることができそうな列車でした。
レーティッシュ鉄道には、世界一遅いと名乗る、時速30kmで”ゆっくり”走る列車の「氷河特急」もありました。
それを探しているうちに、日本の福岡にはさらに遅い時速15kmの潮風号もありました。
黒部峡谷鉄道のトロッコや、函館市電の路面電車もゆっくりということがわかりました。
今回は、旅客列車にしぼってみましたが、貨物列車も含めたらまたたくさん出てきそうです。
まだまだ出てきそうで、ロマンがある長い&遅い旅客列車の世界でした!
国内は行きやすいと思いますので、旅の選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
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