パリ五輪では赤のヘッドバンド(はちまき)が印象的だった
アメリカ男子代表メンバーの一人
テイラー・エイブリル(Taylor Averill)選手。
第一印象は明るくてポジティブでおもしろく、
とても好印象です。
この時ファンになった人は多いのではないでしょうか。
本国アメリカでも”サンシャイン”と呼ばれる愛されキャラですが、
過去にはクラブチームを追放された事もあったそうです。
ところで、アメフトやバスケットボールや野球が人気なアメリカでは、
バレーボールはマイナーなスポーツで、
プロリーグもないアメリカ男子バレー界。
そんな中、エイブリル選手はSNSでインフルエンサーとして、
バレーボールだけではなく、
チームメイトの魅力も伝える貴重な存在だと思います。
2メートルのミドルブロッカーは世界にたくさんいますが、
エイブリル選手の自己評価は、
そこまで目立って高くはなくても、
代わりに機敏でセッターも含めてどんなポジションも対応可能。
コート内では、隠し切れないオーラを放つ「縁の下の力持ち」。
コート外では、バレー界のインフルエンサー&クリエイターといったところでしょうか!?
2014年に代表に選ばれて以来11年目の2025年。
ネーションズリーグには不参戦でしたが、世界選手権2025には参戦!
今年は、SVリーグにも・・・!
唯一無二のミドルブロッカーであるエイブリル選手についての深堀りです↓↓
📝直近ネーションズリーグの各国男子バレー代表メンバーをまとめました↓
エイブリル選手プロフィール
- 生年月日: 1992年3月5日(2025年8月時点で33歳)
- 出生地:ポートランドのオレゴンに生まれ、カリフォルニアのサンノゼで育つ
- 身長: 6フィート7インチ(約201cm)
- ポジション: ミドルブロッカー
- 愛称: “Sunshine”(サンシャイン)
- 背番号: 13番(アメリカ代表)、13番(東レアローズ静岡)
- 所属: アメリカ代表、東レアローズ(25年〜)
- スパイク最高到達点:370cm
- ブロック最高到達点:330cm
- 出身校: ハワイ大(2015年卒)
- 家族構成:父親でミュージシャンのマーク、母親で牧師のリサ、ミュージシャンやプロデューサーをする弟グラント。
叔父のうち二人がプロまたはセミプロのバレーボール選手。その影響でエイブリル選手も競技を始めている。
Sunshineという愛称は、
映画『タイタンズを忘れない』に出てくる”サンシャイン”というキャラクターに似ていることから?ついた愛称。サンシャイン役は、ブロンドヘアの白人の選手でした!
エイブリル選手はそのきれいなブロンドと口ひげがお似合いですよね!
オリンピックでは大会ベストミドルブロッカーに
アメリカ代表チームでの経歴
※アメリカの男子ジュニア代表トレーニングチームやユースA2のチームに所属していた過去も。
- 2014年 パンアメリカンカップ:銀メダル、米国男子代表デビュー
- 2015年 パンアメリカンゲームズ:6位
- 2017年 NORCECA大陸選手権:金メダル
- 2018〜2019年 FIVBネーションズリーグ(各年3週間)出場
- 2018年 男子世界選手権:銅メダル
- 2021年 バレーボールネーションズリーグ 予選ラウンド:7位
- 2022年 男子世界選手権:6位
- 2023年 オリンピック予選:金メダル
- 2023年 NORCECA大陸選手権:金メダル
- 2023年 バレーボールネーションズリーグ(第1週〜第3週)出場
- 2023年 バレーボールネーションズリーグ ファイナル:銀メダル
- 2024年 バレーボールネーションズリーグ(第2週・第3週)出場
- 2024年 オリンピック:銅メダル
✅ベストミドルブロッカー(225.00 ポイント)
✅ベストブロッカー(225.00 ポイント)
クラブチームでの経歴
- 2010/11 カリフォルニア大学アーバイン校/アメリカ/ミドルブロッカー
- 2011/12 – 2014/15 ハワイ大学/アメリカ/ミドルブロッカー
✅ベストミドルブロッカー(2015年?) - 2015/16 – 2016/17 キオエネ・パドヴァ/イタリア/ミドルブロッカー
- 2017/18 レヴィーヴレ・ミラノ/イタリア/ミドルブロッカー
- 2018/19 ショーモンVB 52 オート=マルヌ/フランス/ミドルブロッカー
✅ベストミドルブロッカー(18/19マルマラ・フランスリーグ)
✅ベストブロッカー(18/19チャンピオンズリーグ) - 2020/21 ASカンヌ/フランス/ミドルブロッカー
✅ベストミドルブロッカー(20/21マルマラ・フランスリーグ)
✅ベストスパイカー(20/21マルマラ・フランスリーグ)
✅ベストブロッカー(20/21マルマラ・フランスリーグ) - 2021/22 – 2022/23 インディクポルAZSオルシュティン/ポーランド/ミドルブロッカー
✅ベストミドルブロッカー (22/23プラスリーガ)
✅ベストスパイカー (22/23プラスリーガ) - 2023/24 プロイェクト・ヴァルシャヴァ/ポーランド/ミドルブロッカー
- 2024/25 ミント・ヴェロ・ヴォッレイ・モンツァ/イタリア/ミドルブロッカー
- 2025/26 東レアローズ静岡/日本/ミドルブロッカー
大学では素行不良で2度も追い出されている
大学時代の挫折
- 2度も大学チームから追放された過去。
- UCアーバインでは●物使用などの素行不良で退部。
- チャンスを与えられ、転校したハワイ大学でも問題行動で一時停部。
ディビジョン1のチームでプレーできなくなる危機が。
ハワイ大の頃のフィジカルトレーニングが功を奏した?
- その後、真面目に取り組みハワイ大のコ―チにもう一度チャンスをもらう。
- トレーニングに励んでから、フィジカルが強化されてきた。
ジム通いにより、身軽になりパフォーマンスも向上した。 - ハワイ大で2度のAVCA All-American First Teamに選出された。
- ハワイ大学でベストミドルブロッカーとして活躍。
ご本人のインスタグラムには最近でもジムで汗を流してる姿が何度もアップされています。
現在もジム通いをしてトレーニングを続けているのですね。
エイブリル選手の魅力を考える
エイブリル選手が特に魅力的な理由を個人的に考えてみました!
魅力①SNSなどをみても発信力があって面白い。
※自分自身のポッドキャスト「Tallest Podcast on Earth」をホストしており、
最近は更新がないですが視聴可能。
上記とは別に、21年3月のとあるpodcastの”インタビュー”
(#36 Workin’Out:Taylor Averill/volleyball podcast)で、
こんなことを言っていました!
①バレーを始めたのは15歳。クラブに所属し、
どこでもバレーボールをしていた。(教会などでも)
ジャンプ力があって、当時背が高いほうだったそう。
③ハワイ大の頃は肩の手術も受けたり(おそらく素行問題も含めて)
ミドルブロッカーになることは”正直なところは嫌だった”が、
選択肢がない状況だったそう。
高い選手に比べて、
自分はどのポジションでも対応できるスキルがあるというアドバンテージはあった。
②その頃出会ったトレーナーで女子バスケットボールのチームにも関わっていたダニエルというトレーナーから独自のトレーニング法を教わったことはとてもラッキーだったといっています。
トレーニングに夢中になり、
俊敏性やジャンプ力も変わってきた頃です。
トレーナーのダニエルさんが大学に追い出されても付き合ってくれた恩人だそう。
そこで学んだこと:
自分自身は作れるということ。”You can build yourself.”
必ずしもバレーのために高く生まれなくてもいいということ。
↑ハワイ大で成果を出せたのは、自分自身もそうだと思いますが、
支えてくれたトレーナーやコーチの理解も大きかったことでしょう!
エイブリル選手はこういった話を長いインタビューでユーモアを交えて答える選手です。
魅力②ポジティブさ一言だけでは表せない代表としてのメンタル管理が絶妙
上記のpodcastの一部で本人は:
✅謙虚さ
✅良きチームメイトになること
✅自分自身に誇りをもつこと
について良いバランスを見つけていくことが重要と述べています。
←自分自身に誇りをもつということの裏には、こんなことも語っていました。
人はいとも簡単にネガティブな方向に引きずられてしまう。
メンタルをうまく保つためには、Arrogant(横柄な態度)になることもある。
Corky(自信過剰)になりすぎないレベルで。Greedy(貪欲)に。
(代表で生きていくための)サバイバルスキルのようなもの。
魅力③オープンで自由な生き方を表現している
過去の失敗も包み隠さず語っていているところがとても魅力。
自由な生き方や大胆さは、彼の腕に刻まれるタトゥーにも裏付けされている↓
左腕の内側の、エビがサックス演奏をし”let it rip“(思いっきりやっちゃえ)という言葉が刻まれていているタトゥーはSNSで話題に!
同じくSVリーグに参戦するアンダーソン選手と
NYのエンパイアステートビルでタイタニックをするエイブリル選手↓
まとめ
金髪と口ひげ、そして大きな体格が印象的で、
多くの人が魅力を感じるエイブリル選手。
テイラー・エイブリル選手は、
米国男子バレーボール代表としてパリ五輪で銅メダルを獲得し、
最優秀ミドルブロッカーにも選出された選手です。
身長約2メートル、カリフォルニア出身、
陽気でポジティブな人柄で愛されていて、
日本人のファンも多いはず。
過去10年間代表候補に名を連ねながらも、
東京五輪は負傷で出場を逃すなど苦難を経験しましたが、
パリ五輪では開花。
ベストミドルブロッカーにも選出されました。
パリ五輪の3年前からセラピーを受け、
「五輪に出なくても自分は十分」という自己肯定感を得たことが競技人生の転機のひとつとなったようです。
現在は健康的な習慣に重きを置き、
節度ある生活を目指しています。
エイブリル選手は、
単なるスポーツ選手を超えて、
人生の挫折を乗り越えて成功を掴んだ
とても人間味のある魅力的な人物です!
特に印象的だったのは、
メンタル管理のところ。
絶妙なバランス感覚でセルフコントロールをしているように思います。
たとえ、バレーボール選手ではなくても
その人柄が人々の心を鷲掴みにしてしまう
絶大な魅力があるのではないでしょうか!
2025年世界選手権には出場しますし、
その後のSVリーグも楽しみですね!
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