いよいよ25年バレー男子代表選手の名簿が出そろう頃ですね。
代表監督に就任したなんだかかわいいテふィリ監督の選手時代や監督としての経歴のすごさ、ブラン監督との奇縁などをまとめました。
ロラン・ティリ監督プロフィール
- 名前: ロラン・ティリ (Laurent Tillie)
- 生年月日: 1963年12月1日(現在60歳)
- 国籍: フランス
- 現職: 大阪ブルテオン監督(2024年11月25日に男子バレーボール日本代表監督就任内定)
石川祐樹選手のような経歴
ティリ監督は、元バレーボールの選手でした。
後述のスポーツ一家で生まれた育ったティリ監督の選手経歴もすごい↓
フランス代表として1982年から1995年まで約400試合に出場し、長きにわたり活躍。
オリンピックには1988年のソウル大会と1992年のバルセロナ大会に出場。
1991年から1992年には代表キャプテンを務める。
ヨーロッパ選手権では、1985年に銅メダル、1987年には銀メダルを獲得。
プロリーグでは、フランス・リーグAのASカンヌやイタリア・セリエAでプレーし、フランス・リーグAでは8度の優勝を経験。
2001年にニースVBで選手としてのキャリアを終えている。
代表キャプテンを務めたり、プロリーグではフランスだけでなくイタリアのセリアAでもアウトサイドヒッターとして長年経験を積んでいた、現在の石川選手のようなプロ中のプロ選手でした。
指導者としての経歴
クラブチームと代表チームでは、主にフランスと日本にて好成績を残してきた方です。
クラブチーム
- ASカンヌ監督: 2001年〜2012年(12シーズン)
- 2005年リーグ優勝、2007年カップ戦優勝
- RCカンヌ: 2016年〜2017年
- パナソニックパンサーズ/大阪ブルテオン監督: 2020年〜現在
- 2020-21シーズン:V.LEAGUE準優勝
- 2021-22シーズン:V.LEAGUE 3位
- 2022-23シーズン:天皇杯準優勝、V.LEAGUE 3位
- 2023-24シーズン:天皇杯優勝、V.LEAGUE準優勝
- 2024-25シーズン:天皇杯準優勝(サントリーサンバーズが優勝)、SV.LEAGUE(レギュラーシーズン首位、ファイナルラウンドも5月までに決着)
代表チーム
- チェコ代表監督: 2005年〜2006年
- 2005年ヨーロッパ選手権で9位
- フランス代表監督: 2012年〜2021年(←ブラン前監督を引き継いでいる)
- 2015年FIVBワールドリーグで優勝
- 2015年ヨーロッパ選手権で優勝
- 2016年リオデジャネイロオリンピックで9位
- 2017年FIVBワールドリーグで優勝
- 2021年東京オリンピックで金メダル獲得(フランス初)
- 日本代表監督: 2024年11月に就任内定(SVリーグ終了後に正式就任予定)
- 2028年ロサンゼルスオリンピックでのメダル獲得を目指す
スポーツエリート一家なティリ監督
本人はバレーボール選手でしたが、他の家族はというと↓
- 父親: ガイ・ティリ(バレーボール選手)
- 弟: パトリス・ティリ(水球選手)
- 妻: キャロライン・クーレン・ティリ(オランダのバレーボール選手)
- ティリ監督の3人の息子:
- キム・ティリ(バスケットボール選手)
- ケヴィン・ティリ(バレーボール選手)←※次男
- キリアン・ティリ(バスケットボール選手)
※ケヴィン・ティリは父親であるロラン監督がフランス代表を率いていた時期にチームの一員として活躍し、21年の東京オリンピックでは親子で金メダル獲得している。
スポーツ一家の環境で育ったことが、ティリ監督の指導者としての視点や価値観にも大きな影響を与えていると考えられること。
また、家族間で異なる球技(バレーボール、バスケットボール、水球など)の視点も持ち合わせていることが、彼の多角的な指導方法にもつながっているのかもしれない。
ティリ監督の指導哲学と実績
ティリ監督はフランス代表監督時代、低迷していたチームを世界の強豪へと押し上げています。
後述しますが、ブラン監督の後を引き継いだ2012年の就任当時、フランスは2大会連続でオリンピックに出場できない状況でしたが、若手選手を育成し、2015年には国際大会で優勝。
そして2021年の東京オリンピックで初の金メダルを獲得するまでに成長させました。
監督としての特徴は「経験」を重視する点。
ティリ監督は「勝利だけではなく、ぎりぎりのところまで戦って惜しくも勝利を逃してしまった苦い経験を糧とすることが大事」と語っています。
日本バレーボール協会の川合俊一会長は「日本の選手やチームの特徴、文化への深い理解が、日本代表の力をさらに引き上げてくれると期待している」とコメントしていて、5年間の日本での経験はすでに評価されていますね。
ブラン監督とティリ監督の縁
ところで、以前のブラン監督が代表監督を退任した時はとても残念で日本中のバレーファンが泣いたと思うんですが。。後任がティリ監督になったのはとても幸運かもしれません。
というのも、前述していますがフランスのバレーボール界では、過去2001年から2012年にもブラン監督がフランスバレー男子代表監督でしたが、その後を継いだのがティリ監督だったそうです。
ブラン監督がフランス男子バレー代表の土台を作って、ティリ監督がオリンピック金メダルまで導いた過去。
今回の交代が、その時の再来と言われているようです。
それだけではなく、ティリ監督が現役時代の1980年代にフランス代表で4個年上のブラン監督とチームメイトだったというのも縁ですよね。
ロス五輪では、パリ五輪のメンバーとは異なる新しいチーム作りが課題になるかもしれませんが、
ブラン監督が作った日本代表チームを今度はティリ監督が率いて、より強くなった日本がみたいです。
ブラン監督のその後(韓国バレーでの成績)
ブラン監督の話ですが、日本の代表監督を退任後、韓国の男子プロバレーチーム(韓国版Vリーグに所属する)「天安現代キャピタル・スカイウォーカーズ」というチームの監督に就任(23年)したのは有名です。
その後の成績ですが、さすがのブラン監督。
24-25KOVOカップで、スカイウォーカーズは、11年ぶりの優勝を果たしています。歴史的な好成績です。
今後も注目ですね。
まとめ
ロラン・ティリ新監督は、元フランス代表選手で2度の五輪出場経験を持つ名選手。
指導者としてもフランス代表を東京五輪金メダルに導いた名将。
25年のシーズンから男子日本代表監督に正式就任予定です。
日本でも大阪ブルテオンを率いて好成績を収めていて、スポーツエリート一家に育ち、指導哲学は経験重視。前任のブラン監督とも縁が深い!
2028年ロス五輪でのメダル獲得が期待されていますが、ブラン監督のチーム作りと同じように、メダルが取れなくてもファンはまた夢を見たい・熱狂させてほしいというところでしょうか。
ブラン監督も韓国にて24-25KOVOカップ優勝など好成績を残していて、今後の韓国男子バレーの躍進が期待されます。
ティリ監督ですが、最近大阪ブルテオンの24-25SVリーグ途中で個人的な都合で一時帰国をしていましたが、ファイナルラウンドでは温かく見守られながら日本に戻りましたね。
シーズン途中だったので帰ってくるか心配でしたが、このタイミングでしか休めないと考えたのでしょうか。20代の息子さんがいるのでその影響だったのでしょうか。
SVリーグ終了後に正式に日本代表監督に就任することになるので、今から直近のネーションズリーグなどがとても楽しみです。
ブラン監督はよかったな。でもティリ監督もいい。
過去記事↓
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